伊能忠敬e史料館
         “伊能忠敬”に関してあらゆることがわかる百科事典(Inoh_Tadataka-Encyclopedia)です。
TOP > 《伊能忠敬と伊能図の大事典》サイトマップ > 伊能図閲覧室 > 5.国立国会図書館

5.国立国会図書館

国立国会図書館の伊能図
     渡辺一郎   季刊 伊能忠敬研究 第  号より
 国立国会図書館は、地図室および古典籍室に、これまで伊能図六舗を所蔵してきた。

 (地図室)
 文化元年沿海地図小図(216cm x 156cm)
 伊能測量当時の若年寄堀田摂津守旧蔵品で、堀田文庫の印がある針穴本。「伊能日本実測小図(一)」と題する。陸軍又庫の印もあり、同文庫にあったものが戦後国会図書館に移った。虫穴が多いが、彩色、文字など丁寧な仕上げで、付表、識語も完備する。沿海地図小図の優品である。堀田摂津守の旧蔵品で、針穴があるから、伊能忠敬からの謹呈品と推測される。文句ない副本である。折本。
 文化元年沿海地図小図(214cm x 256cm)
 伊能測量当時の勘定奉行中川飛騨守旧蔵品で、蔵書印がある。針穴のない写本。「日本沿海分間図 官撰 東国完」と題する。堀田図とは差があるが描図は丁寧である。彩色・描画形式は堀田図とやや異なるので、堀田図の写図ではなぃ。余白が広く黄色を多く使う。神戸市立博物館蔵の沿海地図小図と同系統の描画である。市中より購入された。折本。
 文化六年四国沿海図小図(55cm x 105cm)
 文化五年の四国測量完了後、提出された小図である。「伊能日本実測小図(二)」と題する。陸軍文庫の旧蔵品で、沿海小図とセットで保管されていたもの。陸軍文庫以前の所蔵者はわからない。 描画・彩色とも優良な針穴本である。経線がなく、緯線を0.5度間隔に引く。虫・傷は少ない。伊能測量に近い関係にあった諸侯の旧蔵品ではなかろうか。文化六年の四国沿海図小図の現存は、目下のところ、本図だけしかわかっていない。

 (古典籍室)・・・別項参照


 幻の伊能大図が発見される
 ところがこれらの国立国会図書館の伊能図に、最近新発見の最終版伊能大図模写図四三枚が加わることとなった。最終版の大図は214枚であるが、大部分が矢われており、これまでに存在が確認されたのは、若干疑問があるものまでいれて、次の22舗にとどまってぃた。
 国立歴史民俗博物館 写本三舗 (飯山、赤穂、岡山)
 山口県文書館 副本七舗(赤間関、小郡、三田尻、奈古村、熊毛玖珂、八代島、島喚)
詳細はPDFをクリック
 
国会図書館古典籍室蔵 カナ書き特別小図 (昌平校旧蔵)
 貴重書扱いで、事前申請して熟覧を認められる。大型の桐箱(フタなし)に収納する。高橋景保からシーボルトに渡されたが、取り返したといわれている図である。表題は蝦夷図とあるのを朱で日本図と訂正している。縮尺は小図の1/2の、1:864,000で、樺太から九州まで日本全土を三枚でカバーする。

(一)蝦夷地図 140 X 114cm
 北海道、樺太ならびに樺太対岸の黒竜江河口付近を描図範囲とする。地形は不正確である。樺太の緯線は、地形上北緯50度あたりと思われる付近に48度線がある。北海道の地形は現在の地図とはかなり違っている。
 内陸部を貫通する測線が数本あり、針穴も明らかである。作成時期は最終版完成後と考えられるので、地形が異なるのは納得できないが、測線は最終版より詳細である。間宮林蔵の測線を追加したのであろぅか。北蝦夷(樺太)も含めすべてに針穴があるところを見ると、忠敬と同じ方法で下図を書き、これを転写したと思われるが、誤差が大きすぎる感じである。
 地名はカナ書きで、河川は支流まで詳細に記入する。主要な河川沿いに測線が走り、河川の縁に沿って地名が並んでいる。舟で遡上したのであろぅか。経緯線は太めである。方位線はなぃ。測線は細い。山景の緑は東博中図の色と同じである。カナ文字は細字。宿駅、国名、国界、郡名、郡界等は記入しなぃ。黒竜江河口付近も詳しく踏査した様子で、測線が走り、地名が詳しい。
 虫食い・傷みは殆どない。忠敬の測量部分以外についても針穴は鮮明である。裏打ち済み。

(二)西日本図 130 X 114cm
 描図は他の伊能特別小図に同じである。経緯線がある。経線の中度は京都とする。方位線はない。虫食いなく、針穴は明瞭である。カナ書きの地名の偕書は達筆である。測線は朱の極細で、省略せずに総てを網羅する感じである。郡名は黄色の楕円内に漢字。国名は四角の枠内に漢字。ともにカナは振らない。宿駅、郡界はなく、著名な山岳のみを描いてぃる。
 国界の黒線が目立つ。主要河川を描くが、河川名はない。九州の幅は広いので、九州測量後の製作である。

(三)東日本図  130 X 114cm
 全体に西日本に比し、書き込みが粗である。地名が荒い。測線はすべてを描いている。針穴明瞭、文字達筆である。


国立国会図書館大図(第100号:富士)・・・幻の伊能大図
 富士山の姿は、山頂部を白く、雪に覆われたように表現し、山襞や裾野の原野なども絵画的に描いているほか、1707年噴火から100年後の宝永山も描かれ、また愛鷹山も描かれている。赤枠部分の大宮郷 (富士宮) などは家並みの描き方から見て当時も大きい集落であったことがわかるし、信仰の対象であった富士山を廻る富士浅間社の注記が多数見られ、測線が神社まで分岐している。
詳細説明は画像をクリック
 
国立国会図書館大図(第100号:富士 赤枠部分の拡大図)
 
国立国会図書館へのリンク

<< 戻る >>



*